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2017.02.18

デスティネーション(観光地)のマーケティングについて

DMOとマーケティングの続きです。
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手元にあるデスティネーションマネジメントに関する書籍を見てみましょう。

Managing the Tourist Destination  Frank Howie、2003年
観光目的地をマネジメントする フランク・ホーウィー著


第4章、「Marketing places」(場所をマーケティングする)(P141-)の冒頭には以下のように書かれています。


ある場所(観光地)の計画、開発、マネジメントがどんなによかったとしても、そもそも観光客が、その観光地に行ってどんな経験をすべきかを知らなかったら、そしてそこが訪れる価値があるところだとおもわなかったら(おもわせることができなかったら)、その場所はただたんに、「潜在的に」観光地になりうる、ということにとどまってしまう。
(中略)

マーケティングは、成功する観光地として、目指すべきことを達成し、そうあり続けるための重要な要素である。

(中略)

マーケティングは、お金と交換できるものに焦点を絞る「販売」とは違い、潜在的な顧客が何であるか、そしてそのニーズを満たすよう、提供する商品サービスを適合させることに関心を持つことである。

(後略)


これらはマーケティングに詳しい方なら当たり前のことではないか、と思われるかもしれません。
しかし、日本では観光地のこととなると、どうしても地域における観光計画や観光地をマネジメントするか、ということが大きく取り上げられ、マーケティングが後回しになるか、最悪観光地のマーケティングについてなにも検討がされない場合も見かけます。

なぜDMOにとって観光地のマーケティングが必要なのか。理屈はシンプルです。知らないところは行こうとも思わない、ということです。人が行かなければ、そこは観光地になりません。

たとえば--。

 オランダにゼーランドというところがあります
 ぜひ来てください

といきなり言われても、行きたいと思いますか。なんだかよくわかりませんね。そこに何があるのか、何ができるのかがわからなければ行ってみたい、という気持ちにはなかなかなりえません。

オランダのお隣りベルギーは美食の国、カキやムール貝がおいしいことで知られていますが、実は多くがオランダ・ゼーランドで養殖されているものがなのです。またベルギーでムール貝レストランに入りますと、いいものであることをアピールするために「ゼーランド産」とうたっていますところもあります。


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そしてゼーランドに行きますとレストランがありそこでムール貝、カキを食べることができます。年に一度お祭りもあります。アムステルダムから車で2時間弱で行ける距離です。


いかがですか。おそらく、ベルギーの美食事情をよく知る方、ムール貝好きな方、おいしいものが好きな方なら、行ってみたくなりませんか。


全く知られていない場所はもちろんのこと、すでに有名な観光地になっているところでさえ、そこに何があり、何が経験できるのかという情報を発信することは非常に重要であり、そしてそれはDMOの大きな役割の一つでもあるのです。

観光地のマーケティングはもっと知られてもいい、観光の発展に必要なノウハウではないかと思っています。

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